日焼け止め開発なら知っておきたい!SPF・PAの基礎

商品開発情報

こんにちは。化粧品企画開発コンサルのエイジングケアコスメです。

これから日焼け止めを商品化したい!スキンケアブランドの中にUVケア商品を取り入れたい!そんなときに避けて通れないのが「SPF・PA」のサンケア指数の選定です。
特に化粧品OEMではじめて日焼け止めを開発する場合は、指数の意味や試験、処方設計との関係を正しく理解しておく必要があります。

本記事では、日焼け止め初心者でもわかりやすく、OEMでの開発に即した形でSPF・PAの基本と実務的なポイントを解説します。

SPF・PAとは?

日焼け止めを企画・開発する際、必ずと言っていいほど話題になるのが「SPF」と「PA」という2つのサンケア指数。でも実際のところ、「どんな意味?」「どうやって決まるの?」と数値の根拠まで理解している人は少ないかもしれません。

そこでここでは、日焼け止めの開発担当者が最低限知っておきたい「SPF」と「PA」の基礎知識をわかりやすく説明します。

日焼け止め開発でよくある質問

Q
「SPF50・PA++++」じゃないと売れませんか?
A

実はそんなことはありません。
日常使いを想定したアイテムでは、SPF30・PA+++程度がもっとも使いやすく、肌へのやさしさと機能性のバランスが良いとされます。

例えばこんなニーズに最適です。

  • 在宅勤務や買い物などの“ちょっとそこまで”シーン
  • 敏感肌向けや子ども用処方
  • 化粧下地や保湿乳液にUV機能を付加したい場合

逆に、海や山などのレジャー向け、汗・皮脂の多いスポーツ用には、SPF50・PA++++といった高指数処方が求められます。

Q
SPF・PAはどうやって決まるの?
A

SPF・PAの数値は、実際にヒトに塗って試験され決定されます。
日本国内では、「日本化粧品工業連合会」のガイドラインに基づいて評価されるのが一般的です。

<注意点>

  • これらの試験にはコストと時間がかかるため、開発予算とスケジュールにあらかじめ組み込んでおく必要があります。
  • 試験の結果によって、想定SPF・PA値よりも低く出る可能性もあるため、処方の微調整→再試験が必要になる場合もあります。

OEM開発でのポイント

Q
SPF・PA値は処方でコントロールできるの?
A

ある程度はコントロール可能です。
ただし、UV防御成分を増やせばSPFが上がるという単純な話ではありません。

防御成分が多すぎると、

  • 白浮きする
  • 肌への刺激が強まる
  • のびが悪くなる
  • 化粧下地として不向きになる

といった課題が生まれるため、目的に応じた処方設計が鍵になります。

Q
UV防御成分にはどんな種類がある?
A

■紫外線吸収剤
紫外線を吸収し、熱に変えて放出するタイプ。
メリット:透明感があり使用感がよい
デメリット:肌刺激を感じやすい人も

■紫外線散乱剤
紫外線を反射・散乱させるタイプ。
メリット:肌にやさしい処方が可能
デメリット:白浮きしやすい、使用感が重い

目的やターゲット層に合わせて、吸収剤と散乱剤のバランスを調整していくのが一般的です。

日焼け止めの製品設計例(シーン別)

どんな製品をどのような目的で企画するかによって、求められる数値や処方は大きく異なります。
実際には、使用されるシーンやターゲットのライフスタイルに合わせて、SPF・PAの数値だけでなく、使用感や処方のバランスも考える必要があります。

ここでは、企画の参考になるように「使用シーン別」に日焼け止め製品の設計イメージを整理した表をご紹介します。初めて日焼け止めを開発する方にも、具体的な方向性が見えてくるはずです。

商品タイプ想定SPF・PAターゲット・用途
UV美容液SPF25 PA++乾燥肌・在宅勤務・美容感重視
化粧下地SPF30 PA+++メイクのノリ+日常使い
ジェルタイプSPF50 PA++++通勤・軽スポーツ
ウォータープルーフSPF50+ PA++++レジャー・マリンスポーツ用

日焼け止め開発を成功させるには、「SPF・PA値」に目を奪われすぎず、使うシーン・使う人・肌へのやさしさをバランスよく考えることが大切です。OEM開発では、SPF・PAの目標値を明確にしたうえで、処方設計・試作・ヒト試験・容器設計までをスムーズに進める必要があります。

初めての日焼け止め開発であれば、まずは「日常使い向けのSPF30前後」から始めてみるのがおすすめです。特に近年は、軽い使用感や敏感肌向けなど、機能性だけでなく使い心地を重視するニーズが高まっています。

私たちOEMメーカーでは、目的に合わせたUV製品の処方提案から試作、SPF・PA試験対応、製造まで一貫してサポートしています。

「どんな処方がいいかわからない」「SPFとPAを両立できるバランスは?」といった疑問も、ぜひお気軽にご相談ください。

UVアイテムのOEMが初めての方も安心してご利用いただける無料相談を随時受け付けております。
まずは一度、お気軽にお問い合わせください!